2014年10月11日土曜日

“Initial S”



10/13、京都でイベントをやります。
私が京都でライヴをやりたいと言ったら、Twee Grrrls Clubのボスであり、京都のセレクトショップ Violet And Claireの店主であるスミレちゃんが実現を手助けしてくれました。

私とスミレちゃんが初めて会ったのは、たぶんもう、7〜8年くらい前。
花園神社の側のクラブ WIREで、共通の知り合いだったJET SETの店員さんに、「きっと気が合うよ」と言ってお互いを紹介されたのが最初だった。
そのとき私たちは若くて、Twee Grrrls Clubでも、Violet And Claireのオーナーでも、SHE TALKS SILENCEでもなかった。レコードが好きな、ただの女の子2人。
そこで私たちは、好きな音楽について語り合った。THE NEWCOLOURSや、WAKEのレコードについて話が出来る女の子に、私は初めて会った。それがとても嬉しくて、興奮したのを覚えている。そして彼女もまた、同じように思ってくれていた。私たちは友達になった。

そこから1〜2年ほど経って、私は音楽を作り始めた。作った曲を、少しずつMySpace(懐かしい…!)にアップしていた。スミレちゃんにもそのことを知らせたかったけど、その頃は2人とも仕事が忙しく、長い間会っていなくて、連絡するタイミングをずっと掴めないでいた。
でもある日、私たちはレコード屋でバッタリ会った。原宿のBIG LOVE (その頃はまだ、ESCALATORだったのかな)。そこで近況を報告しあった。
そのときの私たちは、それぞれが、SHE TALKS SILENCEになりつつあり、Violet And Claireの店主になりつつあるところだった。私たちは、お互いの変化を喜んだ。
数日後、彼女からメールが届いた。

「MySpaceで音源聴いたよ!すっごく好き!今度イベントを企画するんだけど、ライヴをやってくれないかな!?」

私はとにかく驚いた。
自分の曲を気に入ってくれたことの嬉しさももちろんあったけど、音楽を作り始めて数ヶ月の自分にいきなりライヴをやれと言ってくるスミレちゃんに、ただただ唖然とした。
そしてそれを彼女にも伝えた。

「ライヴなんて無理だよ!ギターも買ったばっかりなのに!」

でも彼女はまったく動じなかった。

「だからいいんじゃん!今の美波ちゃんがやるってことが重要なんだよ!」

たしかにそうかもしれないと思った。
私たちが好きなインディ・ミュージックの根本って、そういうことだよなと気付かされた。私はやることにした。

私の生まれて初めてのライヴは、ひどい緊張と、たくさんのあたたかい眼差しに包まれていた。あのときの空気感は、今でも鮮明に覚えている。最前列から聴こえた、スミレちゃんの「美波ちゃんがんばってー!」という声も。

(その日の写真)


それからもスミレちゃんは、私の音楽の良き理解者として、たくさんの素晴らしい機会を提供してくれた。SHE TALKS SILENCEの存在を、然るべき人たちのもとへ発信する手助けをしてくれた。そしてそれを、楽しんでくれていた。

初めて会ったあの日から、ずいぶんと時間が流れて、私たちももう、いい大人になった。
ハタチそこそこだったあのときの私たちに、今の姿は想像できていなかった。
ただ夢中で好きなものを追いかけて、自らキャッチしてきた。そして今、それぞれ素晴らしい仲間に恵まれて、あの頃よりも格段に充実した日々を過ごしている。その分、責任も当然増しているし、やるべきことや役割も変化してきている。

でも私たちは相変わらず今日もインディ・ミュージックに取り憑かれていて、缶バッジの付いたワンピースを着て、ペラペラのトートバッグをぶら下げて歩いているのであった。


10/13、京都NANO、遊びにきてください…!

S.T.S.