2012年7月21日土曜日

EIOH,STS,ANISAKIS tour diary 1

EIOHとのツアーが、無事に終わりました。
ほっとした気持ちと、彼らが帰ってしまって寂しいという気持ち、そしてこれからもっともっと成長していきたいという欲みたいな気持ちなど、いろんな感情が動いていて落ち着かない。

彼らと一緒にいた1週間は、とにかく楽しかった。
空港で出迎えたときは、みんな少し緊張していたけど、車に乗っていろいろ話していたら彼らの明るさがどんどん出てきて、あっというまにリラックスできた。i PodでSmithsの“There is a light that never goes out”が流れていたときはなんとなくみんなで顔を合わせてちょっとクスクスと照れ笑いしながら一緒に口ずさんだ。
そしてその夜、カラオケに連れてったら案の定エキサイトして、すっかり仲良しになった。それから朝まで居酒屋で大量のお酒を呑んで、プリクラを撮って、雨のなかホテルに戻った。
この日、EIOHの3人に「SHE TALKS SILENCEは私たちの曲をカヴァーしてたよね。YouTubeで観たよ。ツアー中に、どっかで一緒にあの曲をやろう!」と言われて、私たちは非常にびっくりしたのでした。あんなヘラヘラしたカヴァーを本人たちに観られていたのか…、しかも一緒にやるのか…と。
そうやってざわざわしながらスタートした1週間。




○7/13(金)
二日酔いで潰れたCharlesとPaulをホテルに残して、Bonnieのリクエストで「ジブリ美術館」へ。かわいいもの好きのBonnie(パンダとか小動物とか。見つけるとすぐ駆け寄る。)は、トトロが大好きらしく、終始ゴキゲン&興奮した様子で館内を回っていました。ただ、ネコバスに子どもしか入れないことに非常にショックを受けていてかわいそうだったな〜。乗りたかったね、ネコバス…。

○7/14(土)
朝5時にホテルを出て、車2台で大阪へ。私は前日に45分睡眠だっため、車内では終始爆睡。あまりに起きないので、息してるか確認されたりしていたらしい。みんなはパーキングで写真撮ったり楽しく過ごしていた様子。渋滞に巻き込まれてヒヤヒヤしながら、9時間ほどかかって大阪に到着。ギリギリでリハに間に合ってよかった。
大阪でのライヴ自体、STSは2回目で、ANISAKISも、もちろんEIOHも馴染みのない場所だっただけに、告知もどれくらい効果的にできたかわからなくて、ROCKETSの方や、共演してくれたPURPLE、YOLTZ IN THE SKYの力に頼りっぱなしになってしまった気もする。お客さんはこのツアーのなかで一番少なかったけど、ROCKETSでのライヴはものすごくやりやすくて(スタッフの皆さんがまさにプロフェッショナルでした)、どのバンドも素晴らしかった。何より、生まれて初めてEIOHのライヴを観ることができたという感動と衝撃は、なんといっていいかわからないくらい、心にずっしりと響いた。人生でそうたくさんは訪れない「夢が叶う」瞬間。まさにそれを経験した。
STSとANISAKISのライヴを彼らに観てもらったのも初めてになるわけで、やる前は「ライヴ観て嫌われたらどうしよう…」というネガティヴな気持ちもあったけど、実際にはどのお客さんよりも盛り上がってくれて、2組ともに「超最高!」とハグしてくれた。なんていい人たちなんだろう…。嬉しさとホッとしたので変なテンションになり、ちょっと泣きそうだった。
夜はみんなで会場近くの居酒屋で打ち上げ。YOLZのお2人もPURPLEのみんなも来てくれてとても楽しかった。







○7/15(日)
朝8時には名古屋へ出発。お昼過ぎについて、ホテルにチェックインして少し休んでから会場のParty'zへ。リハなどに時間がかかってしまい、30分押しでスタート。この日は名古屋の大好きなバンド、Zymoticsさんが出演してくれて、そのかっこよさにEIOHも驚いてた。
EIOHの2回目のステージは、名古屋はファンの皆さんの熱意がいちばん強いのもあって(素晴らしきFile Under山田さん効果)、すごく濃厚な感じのする時間だった。途中でCharlesのギターの弦が切れて、私のSGを使って演奏していたのだけど、ほんとに私のギターかなと思っちゃうぐらい良い音出てた。モノは使いよう…。よかったね、SG。そして好きなミュージシャンが自分の楽器を使ってライヴするというのはなんて貴重な経験かしらと思った。よかったね、私。
大西くんと山田さんのDJもEIOHのツボだったようで、ゴキゲンでした。Bonnieは先にホテルに戻り、残りのメンバーはそのまま会場で打ち上げをして、2時前に終了。ホテルに歩いて向かう途中、カメラマンをしてくれていたタクちゃんの提案で、横断歩道でみんなで並んでABBEY ROAD風の写真を撮った。




○7/16(月祝)
みんなろくに睡眠を取らないまま、ゾンビのような顔して朝6時に集合。東京へ出発。初日の渋滞がこわかったから余裕を持って出たけど、思いのほかスムーズでお昼過ぎには東京へ到着。いったんホテルや自宅で準備して17時にUFO CLUBへ。この日は本当に有難いことに、前売り/当日券ともに完売。東京の皆さんの、音楽やカルチャーへの貪欲さを感じたがした。会場の外ではファンの方々が早い時間から集まってくれて、一緒に写真を撮ったり喋ったり、楽しそうに過ごしていて嬉しかった。
満員御礼でスタートしたイベントは、最初のJesse Ruinsからずっと心地よいテンションが保たれて、終始なんだか夢のような、ふわふわした気分だった。そして同時に、今日で終わってしまうのか…という現実の寂しさがチラチラと顔を出してきて、それを振り払うのにも忙しかった。
ANISAKISのライヴはホームタウンというのもあって非常に盛り上がっていた。彼らはなかなか難しい領域の音楽に果敢に向き合っていると思う。周りに流されることなく、なんとなくカッコ良さげなイメージ商法に逃げることもなく。彼らにとっての「本当のこと」をそのままずっと追求してほしいなと思う。最後、ジュンゴはドラムセットに思い切り飛び込んで、一瞬気絶してた。でもそれくらい楽しかったよね。Paulが爆笑してたよ。私たちSTSのライヴは…正直、あまり記憶がない。EIOHのメンバーがニコニコしながら観ていてくれたのは覚えてる。それだってなんて贅沢なんだろうって思った。
そしてついにEIOHの最後のステージ。もう、あまりにもあまりにもかっこよくて、まさにTo die by your side is such a heavenly way to die〜な気分だった。そして初日に話していた「一緒に“We don't need honesty”を歌おう」というのを彼らは実行してくれて、私たちをステージに上げてくれた。2年前に遊びでカヴァーしてたときは、まさかこんな日が来るとは全く想像もしてなかった。長い時間を経て、無意識に引き寄せた素晴しい着地点。私はとても幸運だと、遠慮せずに言えると思った。








Photo by Taku Naito

S.T.S.