2012年7月21日土曜日

EIOH,STS,ANISAKIS tour diary 2


ツアー中、何人かの人に、「君たちがいちばん楽しそうだね」と言われた。一瞬、あれ?これって嫌味…もしくはクレーム…?と気になったけど(たぶん違うんだけど)、よく考えたらプラスの意味でもマイナスの意味でもどっちでもいいやと思った。
いちばん楽しんでいたというのは事実だし、そのために実現させたツアーだから。自分たちがEIOHのライヴを観たくて、一緒にツアーをしたくて行動したことだから、誰よりも楽しんでないとおかしい。お金と時間をかけた、贅沢な遊び。
だけど、実際ツアーが始まってみると、各地で会うお客さんの熱意もすごくて、「彼らを呼んでくれてありがとう」と言ってくれる人がたくさんいた。自分たちと同じように彼らの魅力に取り憑かれて、楽しんでくれた人がたくさんいたということが本当に嬉しかった。

このツアーはEIOH、STS、ANISAKISだけでなく、一緒に出演してくださったバンド・DJの皆さん、各会場のスタッフの皆さん、運転と撮影をしてくれたカメラマンのタクちゃん、会場に足を運んでくださったお客さん…と、たくさんの人のエネルギーで、素晴しいものになりました。本当にありがとうございました。

ほかにも書きたいことがたくさんあるような気がするけど、ありすぎてダメだな。雑談として、印象に残ってることを少しだけ書いてみる。

EIOHのメンバーは、何度でも言うけど、超イイ人たちだった。ミュージシャンとしてかっこいいのは大前提だけど、気遣いとかモラルとか、そういう細かい人間性を含めてもまったくイヤなところがなかった。相性が良かったのかもしれない。長時間一緒にいても、ストレスなんてなんにも感じなかった。
もちろん、それぞれに個性があって、Charlesはちょっと気取っててクールだけど、いきなりはしゃいだりして結局おもしろい。



Bonnieはいちばん歳が上というのもあって、お姉さん的な存在。男子2人をすごく可愛がっている。常に元気でニコニコしていて安心感抜群。


PaulはBonnieたちにもよくからかわれてたけど、Big Babyな感じで、ほっとけない子どもみたいなあぶなっかしさと可愛らしさがある。でも、ドラム叩いてるときは超かっこいい。そしてドラム猫のタトゥー入れてアノラック着てる様は、私が10代の頃からイギリス人に抱いている(ちょっと恥ずかしいぐらいの)幻想みたいなものをサラッと兼ね備えてる感じがした。3人みんなと仲良しになれたけど、いちばん話が合ったのはPaulだったかも。
家で“We could send letters”を一緒に歌いながら、Paulのおじいちゃん・おばあちゃんに宛てたポストカードを日本語で書いたり、オススメの音楽をYouTubeで聴いたり、失恋話を聞いたり、ふつーに遊べた。「ミナミの英語はすごく聞き取りやすい」と褒めてもらえたのも嬉しかった。「英語の勉強してたの?」と聞かれたので「ごめん、ぜんぜんしてない…」と答えたら「嘘でしょ、なんでだろう…あ!君がイギリスのレコードばっかり聴いてるからだね!」と言って笑われた。たしかにそうなのかも…。これまで娯楽としてやってきたことが、こんなかたちで役に立つとは。





最後の日(18日)のお別れは、すごく悲しかった。前日の夜に、写真をいくつかピックアップして、アルバムを作った。それを空港で渡したら、「いつのまに作ったの!?(だって昨日遅くまで一緒に吞んでたのに?)」と3人ともすっごく驚いていて、作った甲斐があったなぁと思った。こういう、“こっそり何かをやっておく”場面は今回のツアーで何度かあって(Bonnieの好きな無印のイチゴマシュマロを買っておいたり、彼らがユニオンでレコード掘ってる間にハンズでお箸買ってプレゼントしたり)、その度に彼らは驚きと感激を表しながら、「いつのまに!?」と詰め寄ってくるのですが、「We are Ninja」と言っておけばすんなり納得するのでした。

飛行機の時間が迫った空港で、何回もキスとハグをして、彼らはロンドンに帰って行った。(次はロンドンで待ってるよ、と言って。)

嘘のない、素晴しい1週間だった。

S.T.S.